デジタルトランスフォーメーションの7つの事例をこちらの記事で紹介しています

日本におけるIT担当役員(CIO)の現状

日本におけるIT担当役員(CIO)の現状

前回の記事で、日本のITの活用の実態を書きました。
こちらの記事では、なぜIT活用が必要なのかを書きました。

次に日本におけるIT担当役員いわゆるCIO(Chief Information Officer:最高情報責任者)の現状を見てみましょう

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IT担当役員(CIO)の役割とは?

IT担当役員とはCIOとよばれ、
Chief Infomation Officer の略であり、
企業における最高情報責任者、情報システム統括役員を意味します。

経営・業務(現場)・ITの3つの視点をもち、
全体最適を鑑みてIT戦略を立案し、それを実行する先導役として極めて重要な役割を担っています。

CIOは以下のそれぞれの橋渡し役になる役割が求められます。

  1. 経営視点を持つ経営層
  2. 業務視点を持つ現場
  3. ITの視点を持つ情報システム部

1では経営や事業にITを活用していくために、経営戦略を踏まえたIT戦略を策定することが求められます。
さらに、2現場および3情報システム部との橋渡し役であり、策定されたIT戦略を実行するため、業務改革や情報システムの導入について推進の旗振り役となることが求められます。

政府CIOでは以下のように定義されています。(サイトを参考ください)

https://cio.go.jp/what

日本のCIOの設置率は低い!理由は効果がないから?

情報処理実態調査のデータによると、日本のCIO設置率は、3割とかなり低い数値になっております。
なぜでしょうか?

1.CIOの存在を知らない。わからない

まずは単純に知らないというケースです。
IT活用率が低いですので、CIOの存在を知らないのも納得できます。
また、知っていたとしても、設置する効果や役割が何かがわからなければ設置する理由がないのです。

2.過去に失敗の経験がある。

2つ目に考えられのはこれです。
CIOとは間接的な関わりになるのですが、情報システムの導入に関して、過去に莫大な投資資金を投じて大した成果が出なかったり、システム業者から多額の見積もりで相場がわからずに支払いをしたり、という経験から導入はしてみたもののさほど効果が出なかったケースです。

CIO設置は本当に効果がない?

では、本当に効果がないのでしょうか?

こちらのデータをご覧ください。

いずれの場合も、CIOを設置した場合と設置しない場合では結果が違います。
企業の成長にはCIOは必要不可欠といえます。

CIOを設置するには、

1.年収1500万円で雇用する。

この年収を支払うだけの余裕がある企業であればおすすめします。
払っただけの価値は充分にでると思いますので検討してみてはいかがでしょうか

2.社員を採用・育成する。

役員クラスを雇用するだけの余裕がない企業の場合は、
中途採用を検討することになると思います。
おそらくは、情報システムに知見の深い、プログラマやシステムエンジニアになるかと思いますが、ここでも少し注意です。

技術に特化しすぎる方は育成に苦労するという点に留意いただければと思います。大企業に在籍していた方を採用する場合は特に注意です。
いわゆる技術屋さんで土台が整っている環境でお仕事されていた方は、詳細な技術の話をする傾向が強いため、
会社全体の視点を持った経営者様と会話をする場合には、噛み合わないことが多く見受けられます。

経営視点を育成することを念頭に置き、採用を検討してみるのも良いかと思います。

設置して終わりじゃダメ、、、

情報処理実態調査のデータを元に作成
情報処理実態調査のデータを元に作成

このグラフをみて私は驚きました。
CIOを設置している企業はIT投資に積極的で、活用されていると思っていたのです。
しかしどうでしょう。
CIOを担当している役員の業務経験が全くないという割合が3割もいるのです。
これは、推測するに形だけの設置です。
業務内容はパソコン業社との窓口、
インターネットに繋がらなくなったら配線を見直す。
などの家電の設置の延長で担当しているのではないでしょうか。
少し言い過ぎたかもしれませんが、3割もいるとなると中にはこのような企業がいてもおかしくないとおもいます 。

取引先のシステム業者(システムベンダー)ではダメ

少し話がそれますが、この話をしていると、「うちのシステムは業者(ベンダー)に任せているから」とお答えになる方がいらっしゃいます。

これはかなり危ない傾向です。
自社の業務を把握した上で、明確にシステム業者に依頼を行なっている場合は、別ですが、大抵は「この業務をシステムでやっといて」という依頼の仕方を目にすることが多いです。
これは極端な言い方でしたが、一見まともな依頼の仕方のように見えますが、システムを構築する側からすると聞かなければいけないこと、決めなければいけないことが山ほどあります。
その決定内容を「システムのことはわからないから」という理由で先延ばしにすると全く違ったシステムが出来上がります。
これは断言してもいいです。
システムを提供する会社は、システムを構築するプロですが、御社の業務を行うプロではありません。
同じ業務でも企業によってやり方(業務の流れ)が違うのです。
もっともわかりやすい例が、会計処理です。
帳簿のつけ方、決算書の書式など、決められたやり方が存在します。
その業務をシステムで行うべく、パッケージソフトやクラウド会計などのサービスも多く存在します。
しかし、それをそのままシステム業者に「他の企業と同じでよろしくお願いします。」と依頼しても失敗するのです。
この話に関しては、また別の記事で書きたいと思います。
このブロックでは、システム業者に任せているだけではダメということを認識していただければ良いとお考えください。

ではどうしたら良いでしょう?

前述した通り、
経営視点を持って、IT知識があり、業務内容を調整できる担当者が必要です。
選択肢としては2つあります。

1.商工会議所の駆け込み寺に連絡して相談する。

2.CIO代行を使ってみて自社にあったIT戦略を立案する

本日の提案

1.過去にシステム業者に痛い経験をした方はトレンドが変わっていることを認識して、丸投げではなく、自社にあうサービスを検討してみてはいかがでしょうか
2.社内のIT活用を推進するためにCIOの設置を検討してみてはいかがでしょうか(とっかかりとして担当者を置くだけでも良いと思います。)
3.CIO代行、社外CIOを活用してみてください。商工会議所へ問い合わせてみるのも1つの手です。
4.1~3を使って、IT戦略を作成する。

投稿者プロフィール

じゅん
じゅんプロジェクトファシリテーター
フリーランスのITコンサルタント として、CIO代行サービスで多くの企業をサポートしています。
企業のIT戦略 立案・実行支援を行い、
ITを活用した情報システム の導入・マネジメント支援しています。
IT利活用 に関して気軽な相談から経営に関わる支援まで幅広く受け付けています。

普段私が仕事をする時にお客様やプロジェクトチームの方々に実際に話している内容をたくさんの方々に届けます。

DX(デジタルトランスフォーメーション)が好きすぎるので「DX王子」と呼ばれています。

フリーランス協業パートナー(PMO、ITコンサルタント)を募集しています

CTA-IMAGE 弊社代表はフリーランスとして大手SIer、国内外大手コンサルティング会社とのプロジェクトを多数行ってまいりました。現在、お答えできないほどの支援依頼が来ている状態です。 そこで、お客様のプロジェクト推進を支援していただくために協業パートナーを募集中です。 当社に依頼のある案件は、コンサル案件、PM/PMO案件が中心です。(一部ITエンジニアリング案件もあり) DX、システム導入、BPRなどさまざまな目的のプロジェクトを成功に導くために適切に管理し、推進していくためにPMOとして支援していただきます。 単にプロジェクトメンバになるだけでなく、プロジェクト推進の中心的存在になり自ら推進していただきます。

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