デジタルトランスフォーメーションの7つの事例をこちらの記事で紹介しています

デジタルトランスフォーメーションに関する具体的な7つの取り組み事例

デジタルトランスフォーメーションに関する具体的な7つの取り組み事例

こんにちは、プロジェクトファシリテーターのじゅんです。

デジタルトランスフォーメーションと言われても具体的な取り組みイメージがつかないことが多いと思います。

今回は、IPA(情報処理推進機構)より公開されているデジタル・トランスフォーメーション推進人材の機能と役割のあり方に関する調査の報告書から調査協力した企業のうち、公開可能と回答した7つの企業の取組事例を抜粋して紹介します。

いずれも比較的規模の大きな企業ですが、取り組み内容はどれも参考になりますので、自社の取り組みの参考にしてみてはいかがでしょうか

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目次

デジタルトランスフォーメーションに関する具体的な7つの取り組み事例

IT企業

日本ユニシス株式会社
独立性の高いインキュベーション部門による新事業創出の成功事例
富士通株式会社 内部人材の積極的活用による企業変革への挑戦事例
TIS 株式会社 受託開発から自社サービス創出へのデジタル変革挑戦事例
株式会社セゾン情報システムズ 情報システム部門の大変革による社内効率化の成功事例

ユーザー企業

三井物産株式会社 事業開発能力の高い現場部門を支援するDX 推進事例
東京ガス株式会社 新技術の活用による新ビジネス創造への挑戦事例
株式会社みずほフィナンシャルグループ
(株式会社BlueLab)
他企業との連携による新ビジネス創造への挑戦事例

1.日本ユニシス株式会社|独立性の高いインキュベーション部門による新事業創出の成功事例

企業基本情報

業種 IT関連(東京都江東区)
従業員数 4,190名
設立年月 1958年 3 月

事例のポイント

既存事業部門から独立した組織として、
中途採用人材を積極活用した新規事業部門 を設置し事業創出に成功
創出した新規事業は、収益に大きく貢献するまでに成長。 IT 企業のビジネスモデル変革 DX 成功事例

成功要因

成功要因は、
経営層による新規事業創出の主導と外部人材の効果的な活用。
経営層の意識とリーダーシップが最も重要であるという本調査の結果を裏付ける成功事例。

じゅんのコメント

【独立した組織】×【外部の刺激】×【トップの推進】=【新規事業創出】

既存部門から切り離して独立した部門で外部のメンバーを効率的に活用して、新しい意見や考え、スキルを取り入れて刺激を与えたポイントは素晴らしいです。既存の考えにとらわれずに先行投資で人材への投資を行うことで推進力に変えたと考えられます。
また、事業会社出身を経営層に置いたことでIT企業の枠にとらわれない発想と意思決定ができるようになったと想います。

従量課金制のサービス型ビジネスでお客様も自分たち(ユニシス)も努力すればするほど利益が出るビジネスモデルのため、お互いにメリットを享受できる素晴らしい取り組みだといえます。

このビジネスモデルの結果だけを見ればよくあるビジネスモデルだと思いがちですが、
社歴があり、巨大な組織と既存事業の安定した売上があるなかで、新規ビジネスを創出するのにはかなり大きな推進力が必要だったと考えられます。

この事例は2011年6月22日に発表された事例であるため、8年ほど前の時点でこれらの取り組みが行われていたことから、
これをきっかけに現在では新たなイノベーションを起こしやすい状態になっているであろうと想像できる部分も素晴らしい点です。

2.富士通株式会社|内部人材の積極的活用による企業変革への挑戦事例

企業基本情報

業種 IT関連(東京都港区)
従業員数 140,365名 (連結)
設立年月 1935年 6 月

事例のポイント

デジタル時代に勝つためのビジネスモデルの確立に向けて、新たなデジタル部門を創設。
顧客とともにデジタルビジネスを生み出す 「デジタルイノベーター」を定義し、社内で人材の確保・育成を進める大規模変革モデル。

成功要因

成功要因は、経営層の強い危機感と理解。
簡単には成功しない取り組みを成功するまで続けるためには、
「自社の将来にとってこの取り組みが必要不可欠である」という強い信念が必要。
従来とは異なる新たな評価軸も課題に。

じゅんのコメント

【強い危機感】×【新たな組織】×【新職種の定義と育成】 = 【ベンチャー企業設立】

トップの強い危機感がデジタルトランスフォーメーションのきっかけとなっています。
この危機感を解決するために、新しい部門に加え、新しい職種を定義することで新しいことに取り組むという意識を醸成することができています。
そして、組織を作って、職種を定義するだけでなく、研修やワークショップOJTを通じて人材育成をしっかり行っていることで継続的に取り組みが持続する仕組みができています。

多くの場合、新しい部門や新しい職種を定義して外部に向けて取り組んでいる姿勢のみを見せる企業が多い中、
人材育成に継続的に取り組むところが危機感の強さが見て取れます。

その結果、若手人材がベンチャー企業を設立する事例もでてくるなど、年功序列ではなく、実力と積極性を後押しする仕組みが従業員としてのモチベーションにも繋がっていることと考えられます。

3.TIS 株式会社|受託開発から自社サービス創出へのデジタル変革挑戦事例

企業基本情報

業種 IT関連(東京都新宿区)
従業員数 19,877名(2018年3月31日)
設立年月 2008年4月

事例のポイント

デジタルマネーに関する制度変更を見据えた決済システムの構築、
画像認識AIに基づくSNSの投稿分析を行うなど、
先見性のあるデジタル事業を展開。

成功要因

リファラル採用を初めとする優れた人材の確保と定着に加えて、
merci boxを中心とする社員の家族やプライベートを含めた労働環境の構築を支援している 。

じゅんのコメント

【コンサルティング】×【企業文化】×【人材確保】
PMやSEがお客様と接する機会を設けることでより効果的な提案ができるようになる部分は共感できます。

企業文化に関しては、比較的設立が新しいことが上司や役員に対して積極的に話しかけることができる文化になっていると考えられるが、
社員数2万人弱の企業でそれだけで風通しの良い企業文化になっているとはちょっと考えにくい。
ましてや積極的な人材採用で転職組が多くなれば年齢と役職が混在してくるのでより複雑になりそうです。
トップの考えや積極的に発言できる仕組みなどがあるのではないかと予想される。
このあたりに関しては、この報告書だけでは見えてこない部分です。

カード業界から転職してきた人材が芋づる式に元の会社から転職してくるという内容は、元の企業からするとかなりの痛手ですが、
それほど魅力的な人事制度か働きやすい仕事場になっているということだと想います。
また、50歳前後の人材も採用する姿勢はかなり珍しいです。
IT業界は40歳を超えてくるとキャリアパスに悩みが生じてくるので、50代でも積極的に働ける場所があるということは嬉しいことです。

4.株式会社セゾン情報システムズ|情報システム部門の大変革による社内効率化の成功事例

企業基本情報

業種 情報通信(東京都港区)
従業員数 778名
設立年月 1970年 9 月

事例のポイント

経営における危機感を持つことで 新規事業に取り組む時間を捻出。
現場の ニーズに基づくボトムアップによって生産性向上 を高いレベルで実現した業務改革の成功事例

成功要因

風通しの良いオフィスを構築するために様々な改革を実行。
「スモールスタート」や「手段と目的の分離」を意識して、現場の意見を重視した。

じゅんのコメント

【スモールスタート・クイックイン】×【人事部を主としてソフトとハードの改革】

既存タスクが96%の情シス部門の場合、日常業務に追われて意識もかなり低いと予想されます。
クラウドへの移行や既存システムからの脱却にはかなりの反対勢力があったでしょう。

ワークショップを使った意識改革で風土改革を行ったとサラッと書かれているがこれはかなり苦戦したと思います。
前述の状態の情シス部門であればワークショップそのものへの取り組みも最初は難しかったのではないでしょうか。

それを、スモールスタートという形で行うことで、積極的に取り組む一部のメンバから徐々に拡大していったと想います。

もう一つのポイントは人事部を主としてオフィス風景を変えたこと、それに加えて、データを元にした可視化や従業員同士の交流ができるようにした点が良かった点だと思われます。
このような取り組みの場合、オフィスレイアウトの変更というハード面とデータ可視化や効率化といったソフト面の一方のみを行うことが多いが、
両方を行ったことでより効果が出たと予想されます。

5.三井物産株式会社|事業開発能力の高い現場部門を支援するDX 推進事例

企業基本情報

業種 商社(東京都千代田区)
従業員数 5,829名
設立年月 1947年 7 月

事例のポイント

各事業部がそれぞれ全世界に展開しているという企業の状況に対応できるようなデジタルチームや制度を設立。
事業開拓力を有する各事業部を、
技術的な知見をコーディネート力を持つデジタル組織が効果的にサポート。

成功要因

トップが危機感をもち、 各事業部内でDXを行えるようにする体制を整備。
PoCの成功事例やDXのビジネス案がボトムアップで多数創発されている 。

じゅんのコメント

【DX推進の横断組織】×【個別予算】×【AI・IoTの新技術の積極採用】

経営企画部内にDX横断組織を設置して、コミュニティスペースで世の中のさまざまな技術(AI・IoT)を体験できるようにしているポイントはDXをする上での良い取り組みだと思います。
さらにもう一つは個別予算を取っていることで、積極的な取り組みをしやすい仕組みになっています。
そしてフェーズ区分を設けることでプロジェクトポートフォリオマネジメントもできており、予算管理も仕組み化されています。

DX横断組織をCDOが自ら先頭に立って行動をする点も推進が進んだ要因と言えます。

6.東京ガス株式会社|新技術の活用による新ビジネス創造への挑戦事例

企業基本情報

業種 エネルギー(東京都港区)
従業員数 17,138名
設立年月 1885年 10 月

事例のポイント

API基盤を構築することで既存システムと新サービスのシステムの分離が可能となり、
サービス展開のスピードアップや既存業務への負担を軽減。
積極的なベンチャー投資等の取り組みにより、新たな事業の創出を目指す。

成功要因

トップダウンにより、体制変更を実現。
「迅速な市場投入」と「顧客による評価」のサイクルを迅速に回して、
新規サービスの創出に取り組む。
非エネルギー分野以外でのサービス展開が今後の課題。

じゅんのコメント

【既存システムへの機能追加を無くした】×【新技術によるPF整備】×【新サービスの迅速な市場投入】

Microsoft Azureを利用することでAPI基盤を作ってしまい、既存システムの保守・メンテナンスからの開放されたポイントはかなり大きいです。
既存のメンテナンスをしながらだと新しいことに目を向けづらくなってしまいます。
さらに、必ず既存のシステムをどうするかということを考えてしまうので、この選択は素晴らしいと思います。

そして、タートアップやVCと協業して新技術を使ったプラットフォーム整備を行うことで新規事業創出に向けた基盤整備をしている。
新サービスができたら、市場に投入してみて顧客からのフィードバックをもらって改善するという
アジャイルやリーンスタートアップのような高速な改善サイクルの仕組みができているところもポイント

7.株式会社みずほフィナンシャルグループ(株式会社BlueLab)|他企業との連携による新ビジネス創造への挑戦事例

企業基本情報

業種 金融(東京都千代田区)
従業員数 59,179名
設立年月 2003年 1 月

事例のポイント

既存事業部門から独立した組織として新規事業部門を設置した後に、
株式会社Blue Lab へと発展させる。
インキュベーションの中心地となることで他者を巻き込んでいく、金融企業のビジネスモデル変革事例

成功要因

成功要因は、企業同士の結節点であるビジネスハブになることと、
人材が繋がりを広げながら各自の強みを発揮していくこと。
個の強さと組織の強さを組み合わせ、困難なプロジェクトを確実に前進させる。

じゅんのコメント

【新会社設立】×【ビジネスハブ】×【人材育成】

インキュベーション室からデジタルイノベーション部、株式会社設立と組織を拡大させていき、
地方金融機関やSIerとの外部連携も行い、出向者が在籍することで人事交流が活発に行われてネットワークが構築されていった点は素晴らしいポイントです。

また、背景や所属にかかわらずそれぞれの強みを活かしたプロジェクトチームが編成され、互いに刺激しあい、強みを活かして仕事ができるといった所はとても楽しく仕事ができそうだと感じました。

事例から学ぶポイント

これらの7つの事例を見てデジタルトランスフォーメーションを成功するための傾向は以下のようなポイントにあると感じました。絶対に必要というわけではありませんが、これらが揃うと成功しやすいことがわかります。

・トップが危機感を持ち、先頭に立って推進する

・新組織を設立し、先行投資をする
(予算を確保したり、人材確保のための投資を行う。また、外部組織・人材の積極的な活用)

・メンバが積極的にDXに取り組める環境整備を行う
(人事の研修制度、評価、コミュニケーションが内外と取れるようにするスペースと仕組みの構築)

出典:IPA(情報処理推進機構)

デジタル・トランスフォーメーション推進人材の機能と役割のあり方に関する調査
https://www.ipa.go.jp/ikc/reports/20190412.html

投稿者プロフィール

じゅん
じゅんプロジェクトファシリテーター
フリーランスのITコンサルタント として、CIO代行サービスで多くの企業をサポートしています。
企業のIT戦略 立案・実行支援を行い、
ITを活用した情報システム の導入・マネジメント支援しています。
IT利活用 に関して気軽な相談から経営に関わる支援まで幅広く受け付けています。

普段私が仕事をする時にお客様やプロジェクトチームの方々に実際に話している内容をたくさんの方々に届けます。

DX(デジタルトランスフォーメーション)が好きすぎるので「DX王子」と呼ばれています。

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