デジタルトランスフォーメーションの7つの事例をこちらの記事で紹介しています

IT戦略を作る時に知っておいたほうがいい2つの特徴!守り(モード1)と攻め(モード2)

IT戦略を作る時に知っておいたほうがいい2つの特徴!守り(モード1)と攻め(モード2)

プロジェクトファシリテーターのじゅんです。

さまざまな企業にCIO代行サービスを行っている中で、何度も会話に出てきた話題があり毎回説明するのでブログにまとめようと思います。

今回のネタはIT戦略を作る時に知っておいたほうが良い2つの特徴です。

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IT戦略を作る時に知っておいたほうがいい2つの特徴

それは、ITには守り(モード1)と攻め(モード2)の2つの特徴があるということです。

情報システム部と事業部門、経営層のそれぞれの理解が大事

これまでのやり方でビジネスや業務を行ってきた企業はデジタルトランスフォーメーションを行う際は、考え方から変えなければなりません。

これは、先に上げた情報システム部と事業部門の両方です。さらにかけてはならないのが経営層です。

これら3者の考え方を変えなければデジタルトランスフォーメーションは難しいです。

経営者の方と話をしてデジタルトランスフォーメーションを進めようと思っても、情報システム部と会話をすると、モード1の考え方に凝り固まりすぎて新しいことに全く挑戦できない。

事業部門の方は新しいことをしようと短い期間で新技術を取り入れた提案を経営層にするが、モード1の考え方を優先し、スピードが遅くなる。

といった例が多く見られます。
3者それぞれの理解を得るために私が駆り出されるわけですが、その時に話をする内容を以降で紹介します。

そもそもモード1、モード2ってなに?

IT分野におけるマーケティング・リサーチ会社のガートナー社が提唱している概念で、
攻めのIT、守りのITと一緒に語られます。

「モード」という言葉に対しての意味やなんでモード?といったことに関しては、それほど気にする必要は無いです。
(私はガートナー社とのつながりはありませんので単に使いやすい言葉を使っているだけ)

強いて言えば、

モード1は従来型のIT活用の考え方と思っておくのがわかりやすいかもしれません。

今回の話題は従来型のモード1が悪いという話ではなく、従来型のモード1を保ちつつ、現在求められているモード2を取り入れていく必要があるというお話です。

戦略に関係する守り(モード1)と攻め(モード2)

経営層に特に理解しておいてほしい内容がこの戦略に関係する特徴の違いです。モード1に関しては、聞き覚えのある言葉が多く並んでいると思います。

経営視点で見ると、ITってモード1のことを言うんじゃないの?と思われているかたが大多数を占めると思います。
ITに対する期待や経営判断をモード1だけで行っていると今後のビジネス成長は難しくなってきます。

戦略レベルで考える場合は、ITを一括にするのではなく、事業の特性や自社部門の特性にあわせて、戦略を構築してKPIの設定をすることが求められます。

あわせて、事業部門や情報システム部門でも、自分には関係ないと言わずに、会社の方針や判断基準などを理解しておくことはとても重要です。

組織や人材に関係する守り(モード1)と攻め(モード2)

会社運営は突き詰めると人がどう動くかという点に付きます。
いくら良いシステムを導入したとしても、利用する組織やスタッフが使いこなせなければ意味がありません。

モード1、モード2でも組織・人材には大きく違いがあります。

組織に関しては、モード1は事業部門から依頼のあった内容をIT部門がサポートするという組織構造になっていることが多いですが、新規事業を生み出していくモード2では、事業部門とIT部門は一体となって進めなければ機能しません。さらに、IT部門の中でもモード1では、開発部門で開発したシステムは運用部門に引き渡されて運用されています。
もしもシステムに不具合があれば運用部門から開発部門に情報が渡されて、システム修正が行われた後、再度運用部門に引き渡されます。

責任範囲と役割が明確になるという部分ではとても良いですが、このやり方では組織が分断され、自分の仕事だけをやれば良いという考えになりがちです。いわゆる縦割り組織という構造です。
こうなってしまっては外部委託する取引先の協力会社も、責任範囲を明確にするような契約と仕事の仕方をするために膨大な証跡や提出物に追われることになります。

モード1とモード2の最もわかりやすい特徴は、そこで働いている人を見るとすごくわかりやすいです。

言われたことを正確にきっちり行うモード1の人たちと
自由奔放な考え方でどんどん前に進んでいくモード2に人たちは

性格も求められる力も違います。

システム開発や情報システムに関係する守り(モード1)と攻め(モード2)

システム開発をするITベンダーの方々とお話する際はここの話が中心になります。
ITガバナンスや社内規定を構築する際に、システム開発のプロセスや情報システムの取り扱いに関する内容はより詳細に議論されます。

以前DELL techセミナーに参加した際のKDDI様の事例でも紹介されていたように、新しい技術やプロセスは組織規模が多くなるほど取り入れるのが大変になります。

既存のプロセスや規定とどう折り合いをつけるかという部分にすごく時間をかけます。

システム開発を商売にするITベンダーはモード1のビジネスを行うほうが楽ですし、短期的な収益増加も見込めます。
しかし、ユーザー企業や社会的に求められているのはモード2の内容です。
従来のビジネスモデルを引きずっているだけでは長期的に見ると難しくなってきます。

こちらの記事も合わせて読んでみてください。

モード1が悪いように書かれていますが、どちらも必要だということを言いたいのです

これからの時代はモード2が求められるのはこれまでの説明を見て重要なことはわかっていただけたと思いますが、この話をするとあたかもモード1が悪いようにとらえる方がいらっしゃいます。

それは違います。

モード1が重要視される分野も多数存在しています。

例えば、経理処理の分野です。

取引内容を記録し、仕訳を起こし、計算し、集計する。
これに関しては、やることが決まっていますし、会計基準に沿って処理し、法に則って手続きをします。この場合は、モード1のほうが効率が良いです。むしろモード2だとうまくいきません。

経理分野に対してイノベーションを起こす企業(経理分野をビジネスの主軸においている企業)は別の話です。

業界特性や企業規模によってモード1を完全に無くすことは非現実的だと思うので、モード1を活用できる部分は残しつつ、モード2の理解を深めて活用していくことが重要です。

こちらの記事も合わせて読んでみてください。
モード1とモード2つの両方が重要!それってバイモーダルITって言うんだよ!(準備中)

必ずこれが当てはまるわけではありません

100社あれば100社の組織構造や文化があるように、今回紹介したモード1、モード2も完全に当てはまらないかもしれません。

しかし、これらの特徴や違いなどの傾向を知っているだけで、理解が進み、立場や文化の違う人達同士が協働することによって、多くの企業のIT活用が進み、デジタルトランスフォーメーションの後押しになれば嬉しいです。

本日の提案|守り(モード1)と攻め(モード2)という2つの特徴があります

  • IT戦略を策定・実行するときは守り(モード1)と攻め(モード2)の2つの特徴があることを理解しましょう
  • 紹介した守り(モード1)と攻め(モード2)の内容はこのような傾向がある。という内容です。
  • 守り(モード1)と攻め(モード2)を理解した上で、バイモーダルITを目指しましょう

バイモーダルITを目指すための人材視点で見るお互いを理解する方法(準備中)

投稿者プロフィール

じゅん
じゅんプロジェクトファシリテーター
フリーランスのITコンサルタント として、CIO代行サービスで多くの企業をサポートしています。
企業のIT戦略 立案・実行支援を行い、
ITを活用した情報システム の導入・マネジメント支援しています。
IT利活用 に関して気軽な相談から経営に関わる支援まで幅広く受け付けています。

普段私が仕事をする時にお客様やプロジェクトチームの方々に実際に話している内容をたくさんの方々に届けます。

DX(デジタルトランスフォーメーション)が好きすぎるので「DX王子」と呼ばれています。

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CTA-IMAGE 弊社代表はフリーランスとして大手SIer、国内外大手コンサルティング会社とのプロジェクトを多数行ってまいりました。現在、お答えできないほどの支援依頼が来ている状態です。 そこで、お客様のプロジェクト推進を支援していただくために協業パートナーを募集中です。 当社に依頼のある案件は、コンサル案件、PM/PMO案件が中心です。(一部ITエンジニアリング案件もあり) DX、システム導入、BPRなどさまざまな目的のプロジェクトを成功に導くために適切に管理し、推進していくためにPMOとして支援していただきます。 単にプロジェクトメンバになるだけでなく、プロジェクト推進の中心的存在になり自ら推進していただきます。

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