御社のCIO代行 じゅんです。
河野太郎行政改革大臣が印鑑の廃止を積極的に進めていて、無駄な業務を排除しようとしています。
私は、無駄な押印はずっと前からやめてほしいと思っていたので、このような活動に大賛成です。
連日ニュースで取り上げられていますが、この話とセットで出てくるのが判子業界にとっては大問題!という話題です。この話題はいつも賛成か反対かという議論になるのですが、この議論はあまり意味がないと思っています。
ハンコ屋さんからすれば、自分の主力商品である「判子」がいらないとなることは、死活問題です。
廃業に追い込まれる事態になりかねません。実際その危機が間近に迫っているかもしれません。
テレビや新聞では、ハンコ屋さんからの反論が取り上げられ、それに対する反論をさらに言うというよな、賛成・反対の議論が見られます。
それ自体は話題作りなので、おいておいてよいのですが、当事者からすれば生活に関わる大問題です。
なので、私のこの記事では、世の中のハンコ屋さんに対して、いくつか提案をさせていただこうと思います。
私は、ハンコ屋さんの経験が全くありませんので、的はずれな内容もあるかもしれません。
しかし、判子廃止の反論に時間を使うよりも、本記事を読むほうが有益な時間になることは自身を持って言えます。
ぜひ最後まで読んでみてください。
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ハンコ屋さんに提案します!生き残り戦略で大事なのは頭を使うこと!
ハンコ屋さんにとっての問題は、「はんこが売れなくなる」という点に終着します。
文化がどうとか、個人の証明とか、色々主張しますが、結局の所、商売ですので、売れなければ意味がありません。
そこで、具体的に売上を確保するためにどのようにすればよいかを3つを提案します。
ここでご紹介した提案を自由に使っていただいて構いませんが、結局の所、自分の会社に合ったビジネスプランを自分自身で考えなければなりませんので、そのあたりはわかっておいてください。
「この記事を見て、そのとおりにやったけどできなかった!」とクレームを言うような経営者の場合は、遅かれ早かれ経営は成り立たなくなっていたことだと思うので、よく考え直しましょう。
提案1:選択と集中で<実印のみ>にする
判子というと、ゴム印、三文判(認印)・銀行印・実印が商品にあげられます。
ゴム印は、ペーパレス化によって文字入力や自動入力に代替されることで次第になくなっていくことが予想されます。完全になくなるまでは時間がかかるので、残しておいても構いませんが時間の問題です。
三文判(認印)は、すぐにでもなくなるはずです。これは100円ショップでも大量に売られていて、判子といえば三文判と言われるほど、手軽に手に入ります。
誰にでも手に入って、誰でも代わりに押せる判子を<個人の証明>と言えるでしょうか?
私は全く言えないと思います。
「印鑑を忘れたから目の前のはんこ屋で印鑑を買ってきて押します」
これのドコが個人の証明なのでしょうか?
次は、銀行印です。
現在銀行では、不正利用を防止するために口座開設が難しくなっており、開設する場合は審査が厳しくなっています。私自身今年に入って口座開設を行いましたが、口座登録を行う過程の最後に銀行印を使用しました。
その後はインターネットバンキングでの取引しかしていないので、銀行印は全く使用していません。
融資など、窓口や担当者とのやり取りが頻繁に発生する場合は、本人認証として銀行印が必要になるかもしれませんが、インターネットバンキングなどのログインで本人認証を代替できるようになってくると思うので、これもなくなるのは時間の問題です。
最後に、実印です。
私が残すべきだと思う商品は<実印>です。
これこそ、「個人の証明」そのものです。
実印は現在、印鑑証明とセットで初めて効果を発揮するものです。
子供の頃や社会人になりたてであれば、あまり使う機会はないと思いますが、ライフステージが変化して車や家などの大きな買い物をする際は、実印が必要になってきます。
自分の<実印>を作って、押したことがある方であればわかると思いますが、押すときの重みは自分の意思決定の結果・最後の決断という感じで、気持ちが入ります。
「エイッ!」とか「いけっ!」とか「ヨシッ!!」みたいな感じです(わかりますか?ww)
印鑑の本質ってこれかもと思わせる瞬間です。
はんこ屋さんが言う、「判子の文化」とか「個人の証明」みたいなのはこのことを言っていると私は思います。
自分のフルネームで物理的に重みのある<実印>はこれから残っていくと私は思います。
使用頻度が少なく、一人前の証明として、高単価にする
ゴム印や三文判(認印)、銀行印を廃止し、なくなっていくため売上が減少します。
売れる本数が少なくなるのはわかっているので、その代わり、実印の値段を高額に設定します。
個人が証明できるような2つとない、複雑で芸術的な<実印>を1本1本フルオーダーで制作するようにすれば、売上を維持するばかりか、売上を上げることが考えられます。
提案2:技術を活かして<刻印>サービスをする
ハンコ屋さんは、判子というモノにこだわりすぎていませんか?
「判子が廃止されてば、判子が売れなくなる。どうしよう・・・」という考えで、どこかで「判子を売るにはどうすればよいか?」というように考えてしまっていませんでしょうか?
ハンコ屋さんが持っている強みは、判子そのものではありません。
<彫りの技術>です。
複製されないように高度に洗練された判子を彫るという技術は新規参入者には真似のできない貴重な技術です。
その、彫りの技術を売りにして<刻印>サービスを始めるのはどうでしょうか?
個人の証明や思い出のモノ、お店、家、表札、パソコン、スマホ、机、なんでも構いません。
ハンコ屋さんが彫る高度な技術を使ってサービスを作り出してみることをおすすめします。
この技術を転用するというのは、世界や歴史を見渡しても当たり前に行われてきたことです。
参考までにいくつか例をあげます。
エルメスは馬具職人がかばんを作ったことが始まり
高級ブランドバッグで有名なエルメスは馬具を作っていた職人の技術を活かし、バッグを作ることが始まりです。
Faure Le Page (フォレ・ル・パージュ)は鉄砲作りからかばん作りへ
日本では銀座に店舗をだしていましたが、今は閉店してしまった、フランスのフォレ・ル・パージュは、フランスで1717年に鉄砲工「ル・パージュ」という名前で創業しました。
ルイ15世紀以降の王室御用達として狩猟の場でも重宝される一方、ナポレオンのヴェルメイユのサーベルを作ったり、フランス革命では革命軍に武器を提供しました。
そのような流れで武器収納や運搬に関係する革製品を製作しました。
時代に合わせて、メインである鉄砲の製造部分ではなく、収納や運搬用に使用していた革製品部分に目をつけてそこに集中して行ったのです。
ランボルギーニは農機具メーカー?
スーパーカーで有名なランボルギーニはもともとはトラクターなどの農機具を作っていたことはご存知でしょうか?巨大な田畑を耕すために必要な馬力のあるトラクター製造におけるエンジン技術を転用して、みなさんがご存知のスーパーカー・ランボルギーニが誕生したのです。
トヨタは自動車会社からモビリティカンパニーに!
日本で言えば、誰もが知っているトヨタが今まさに変わろうとしています。
トヨタと言えば自動車製造です。100人に聞けば100人が「自動車を作ってる会社でしょ?」と答えるはずです。
しかし、ガソリン車は電気自動車に変わり、二酸化炭素を排出する自動車は時代にそぐわないものとなりつつあります。
そこで、トヨタはモビリティカンパニーに変わります!と宣言しています。
これは「車を作る」という企業ではなく、「移動を支援する」という企業になるという意味です。
これは、自分の会社が社会に提供するモノやコトを再定義することで産まれてきます。
提案3:個人の証明!第二の指紋をつくる
ハンコ屋さんの主張として「はんこがなくなったら個人の証明をどうするのだ?」という内容を耳にします。
これは、判子本来の成り立ちや意味を考えれば納得させられます。
なので、個人を証明する第二の指紋のような物を作ってみてはいかがでしょうか?
複雑で精巧な彫りの技術を使い、特定のナニかに刻印するとともに、スマートフォンなどの読み取り機でかざすか写すかなどのデジタル技術との融合で個人を証明するというものです。
指紋認証は、手を怪我したり、指紋が消えてしまったら使えなくなって困るという点があります。
これを回避するためには複数の指を登録するという方法しか見いだせていません。
例えば、これを利用してスマホの指紋認証に恋人や友人に指紋を登録してしまえば他人でも認証できてしまいます。これは本当の意味での<個人の証明>になっていません。
これらを解決できるモノやコトが提供できれば画期的な商品が出来上がるはずです。
はんこ廃止に大賛成します!
いかがでしたでしょうか?ハンコ屋さんが生き残るための3つの提案を書かせていただきました。
私自身は、判子廃止には大賛成です。
大賛成だからと言って、ハンコ屋さんが潰れてもいいとは思っていません。
「廃止反対!」と言うだけではなく、時代に合わせてどの様に生き残っていけばよいかを考えることのほうが遥かに重要なので、良いきっかけになれば幸いです。
本日の提案|ハンコ屋さんが生き残るために戦略を考えましょう!
ハンコ屋さんがもし見ていたらここに書いてある提案を存分に活用してみてください。
提案1:選択と集中で<実印のみ>にする
提案2:技術を活かして<刻印>サービスをする
提案3:個人の証明!第二の指紋をつくる
判子廃止といってもすぐには無くならないと思うので、必要な方は作成しておきましょう。私も印鑑は作成しています。
投稿者プロフィール
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フリーランスのITコンサルタント として、CIO代行サービスで多くの企業をサポートしています。
企業のIT戦略 立案・実行支援を行い、
ITを活用した情報システム の導入・マネジメント支援しています。
IT利活用 に関して気軽な相談から経営に関わる支援まで幅広く受け付けています。
普段私が仕事をする時にお客様やプロジェクトチームの方々に実際に話している内容をたくさんの方々に届けます。
DX(デジタルトランスフォーメーション)が好きすぎるので「DX王子」と呼ばれています。
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