プロジェクトファシリテーターのじゅんです。
私はCIO代行として情報システム部の運営を行う機会があります。
部門そのものの立ち上げをしたり、既存の部門の改革を行ったり、と組織運営をお手伝いする場面もあります。
IT戦略を立てて、業務の整理をして、実際に施策を実行していくのですが、この施策を実行するのは人間です。
一緒に仕事をするチームメンバの知識やスキルはとても重要な要素になりますが、それ以上に重要なのが「仕事に取り組む姿勢・意識」です。
プロジェクトチームは一定の役割が決まっていますが、同じ姿勢や意識を持っていると仕事のスピードが全く違ってきます。
この意識統一やプロジェクトメンバの姿勢を把握することはとても重要になってきます。
そんなときに、あなたは仕事に対してどのような意識を持っていますか?と質問をしても大抵の場合は、「は?」という答えが返ってきます。
そうならないために私がいつも例え話として話している内容を紹介させていただきます。
話の内容としてはよく知られている「レンガ職人」の話ですが、これに加えて管理職の立ち振舞や一緒に仕事をする上での考え方なども合わせて紹介させていただきます。
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3人のレンガ職人の話
1人目のレンガ職人
世界中をまわっている旅人が、ある町外れの一本道を歩いていると、一人の男が道の脇で難しい顔をしてレンガを積んでいた。
旅人はその男のそばに立ち止まって、
ここでいったい何をしているのですか?
と尋ねた。
何って、見ればわかるだろう。
レンガ積みに決まっているだろ!
朝から晩まで、俺はここでレンガを積まなきゃいけないのさ
あんた達にはわからないだろうけど、暑い日も寒い日も、風の強い日も、毎日レンガ積みさ!
腰は痛くなるし、手はこのとおり
男は自らのひび割れた汚れた両手を差し出して見せた。
なんで、こんなことばかりしなければならないのか、まったくついてないね。もっと気楽にやっている奴らがいっぱいいるというのに・・・
旅人はその男に、なぐさめの言葉を残して、歩き続けた。
2人目のレンガ職人
もう少し歩くと、一生懸命レンガを積んでいる別の男に出会った。先ほどの男のように、辛そうには見えなかった。旅人は尋ねた。
ここでいったい何をしているのですか?
俺はね、ここで大きな壁を作っているんだよ。
これが俺の仕事でね。
大変ですね
旅人はいたわりの言葉をかけた。
なんてことはないよ!
この仕事のおかげで俺は家族を養っていけるんだ。
ここでは、家族を養っていく仕事を見つけるのが大変なんだ。
俺なんて、ここでこうやって仕事があるから家族全員が食べいくことに困らない。
大変だなんていっていたら、バチがあたるよ
旅人は、男に励ましの言葉を残して、歩き続けた。
3人目のレンガ職人
また、もう少し歩くと、別の男が活き活きと楽しそうにレンガを積んでいるのに出くわした。
ここでいったい何をしているのですか?
旅人は興味深く尋ねた。
ああ、俺達のことかい?
俺たちは、歴史に残る偉大な大聖堂を造っているんだ!
大変ですね
旅人はいたわりの言葉をかけた。
とんでもない!
ここで多くの人が祝福を受け、悲しみを払うんだぜ!
素晴らしいだろう!
旅人は、その男にお礼の言葉を残して、また元気いっぱいに歩き続けた。
目的意識がない人に意識を持たせるためにできること|管理職向け
3人のレンガ職人への「何をしているか」の問いかけに対する答えから、次のようなことが分かります。まとめると以下のようになります。
【1番目のレンガ職人】
「レンガ積みに決まっているだろ」
特に目的なしに言われたことだけの仕事をしている
もっと別の楽な仕事をやりたいけど、しかたなく今の仕事を
【2番目のレンガ職人】
「この仕事のおかげで俺は家族を養っていける」
生活費を稼ぐのが目的、仕事があることに感謝している。
自分の仕事に誇りを持っている
【3番目のレンガ職人】
「歴史に残る偉大な大聖堂を造っている」
後世に残る事業に加わり、世の中に貢献することが目的になっている。
<俺たち>という表現を使っていることから、自分だけの仕事ではなくチームとしての仕事に捉えている。
この中で一番モチベーション高く仕事をしているのは、明らかに3番目の職人ですよね。
目的がしっかりしていて、その目的を果たすためにどのような貢献ができるのかを自分で考えるからこそ、より良い仕事をしようとその仕事に積極的に関わる姿勢が生まれます。
では、やらされている感のある1番目の職人や、仕方なく生活のために働いている2番目の職人のような従業員の目的意識を高めるにはどうしたらよいのでしょうか?
それにはまず、企業の目標・夢・志・方向性などをビジョンとして明確にし、社内の勉強会や社内報でそれを定着させ、ビジョン達成のための模範的行動を称える報奨制度の導入や、ビジョンに共感する人財の採用などを行うことが必要だと思います。
他にも、計画・戦略策定へ従業員を関わらせたり、権限委譲をすることも、目的意識の向上に効果的です。
なぜなら、自分の考えが必要とされることで「やらされ仕事」が「自分の仕事」に変わり、仕事に価値を見出すことができるようになるからです。
こういった企業文化があってはじめて、ビジョン実現のための使命・目的・役割・存在意義などを自ら考え、行動に移すことができるモチベーション高い人財を育てることができるのではないでしょうか。
必ずしも3番目のレンガ職人のようになりなさい!というわけではない
この話をすると必ず3番目のレンガ職人のようになろう!というメッセージになりがちですが、必ずしもそうではないことに注意しましょう。
いろいろな背景を持った方たちとお仕事をしていると様々な価値観の人たちがいます。
2番目のレンガ職人を見るとどうでしょうか?今ある現状に感謝して精一杯仕事をしています。
悪いことでしょうか?ここに登場する旅人から見れば大変に見えている仕事でも不満を言わずに家族を養えることに満足すらしているように見えます。
仕事をしている人の中には以下のように様々な価値観があります。
- 「言われたことだけこなし、お金をもらうもの」と割り切っている人
- 「自分の立場に見合った働きを適度にするもの」と考えている人
- 「現状に感謝し、与えられた仕事を精一杯責任持ってすること」と思っている人
誰しもがビジネスで成功したい!仕事で成長したい!と思っているわけではないことに注意しましょう。
この記事を読んで、自分はどのような考えや価値観を持って仕事をしたいかを再認識し、成長意欲のある人はより上の段階に成長してほしいと願っています。
その中で、様々な人たちと仕事をする機会が多かったり、部下をもつ上司であれば、今回の話を頭の片隅においていろんな人と接することで無駄なすれ違いを最小限にすることができます。
複数人で仕事をするときなど、この記事を一緒に読んでみて、どのように感じるか話し合ってみるのも良いかもしれません。
みなさまにとって良い気付きがあれば幸いです。
本日の提案|あなたは今の仕事をなんのためにやっていますか?
・あなたは、今の仕事をどのような意識でおこなっていますか?3人のレンガ職人に当てはめてみましょう
・今の自分を認識して成長したい方は、より上を目指して意識を変えてみましょう
・部下やチームメンバなどを持つ管理職の方は、一緒に仕事をするメンバがどのような意識で仕事に取り組んでいるかを把握しましょう
・仕事をする人は、全員3番目のレンガ職人のようにならなければならない!という話ではないことに注意
本当に大事な仕事なのか?と考え直すときに参考になる記事
自分のやっている仕事の意味や目的を考えるときに本当に大事な仕事なのかと考えるときには以下のような記事を参考にして今の業務を見直してみることをおすすめします。
投稿者プロフィール
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フリーランスのITコンサルタント として、CIO代行サービスで多くの企業をサポートしています。
企業のIT戦略 立案・実行支援を行い、
ITを活用した情報システム の導入・マネジメント支援しています。
IT利活用 に関して気軽な相談から経営に関わる支援まで幅広く受け付けています。
普段私が仕事をする時にお客様やプロジェクトチームの方々に実際に話している内容をたくさんの方々に届けます。
DX(デジタルトランスフォーメーション)が好きすぎるので「DX王子」と呼ばれています。
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