デジタルトランスフォーメーションの7つの事例をこちらの記事で紹介しています

テレワークって具体的に説明できますか?3つの種類と視点で解説します

テレワークって具体的に説明できますか?3つの種類と視点で解説します

2019年9月9日に台風15号「ファクサイ」が午前5時前に千葉市付近に上陸して首都圏では一部地域が冠水しました。
中心付近の最大風速は約40メートル、最大瞬間風速は約60メートルで、関東に上陸した台風では過去最強クラスとなったとのことです。

また、2019年10月12日には台風19号「ハギビス」が台風15号を超える最大規模の台風となり、日本全国に甚大な被害を及ぼしました。

この影響で鉄道や空の便が運休となり、高速道路も通行止めになるなど、交通機関に大きなダメージを与えました。

特に首都圏の駅では人がごった返す状態となり、Twitterで「地獄絵図」がトレンドワードに入りました。
これをみて多くの人は、

そこまでして会社に行かなきゃいけないの?

と思ったのではないでしょうか?
もちろん工場の生産現場や建築、運送などのモノを扱うお仕事の場合は出社する必要がありますが、ホワイトカラーと呼ばれているオフィスワークの場合は出社しなくても業務ができるのではないでしょうか?
オフィスワークの人たちが出社を控えるだけで駅に人がごった返す自体は避けられた可能性もあります。

出社せずに仕事をするな!と言っているわけではありません。ここまでICT技術が発達しているのでテレワークをもっと導入して柔軟な働き方ができると良いのではないかと思っています。

今日は改めてテレワークとはなにかということをまとめておきます。

スポンサーリンク

そもそもテレワークって何?

テレワークやリモートワーク、在宅勤務など様々な言葉がありますが、そもそもテレワークってなんでしょうか?

テレワーク:telework とは

tele = 離れた所
work = 働く

という2つの言葉を合わせた造語です。そして、これを実現するためにICTを活用して、時間や場所にとらわれない働き方のことをさします

テレワークには3種類あります

一口にテレワークと言っても3種類あるのはご存知でしょうか?

・在宅勤務
・モバイルワーク
・サテライトオフィス勤務

在宅勤務|自宅にいながら会社と連絡を取り合って仕事を行うこと

自宅にいながらチャットツールを使ってやり取りをするのが在宅勤務です。
ビデオ通話で顔を見ながら打ち合わせをしたり、チャットだけでやり取りするのが一般的です。

在宅勤務の場合は、家事や育児の合間を仕事の時間に使えたり、介護などで家族のそばを離れられない場合などにも活用できます。

少し極端なことをいうとネット環境が整っていない場合であっても、オフラインで作業できる内容の仕事であれば期日や納期を守っていれば普段のコミュニケーションの必要もなくなります。
実はこう考えれば、これまでも会社のパソコンを自宅に持ち帰って作業をしていたりする方って多かったのではないでしょうか?それは在宅勤務に該当しています。
セキュリティや情報管理の仕組みがしっかりしているかは別の話ですが。

在宅勤務と言っても2つのパターンがあります。それは、終日在宅と部分在宅です。いずれも週に1日以上在宅で勤務することを言いますが、それぞれ以下の違いがあります。

終日在宅

終日自宅で勤務することを終日在宅と言います。多くの場合、ビデオ通話などを使って打ち合わせやチャットツールで出退勤を報告するなどの方法で自宅にいながらオフィスと連絡が取れる状態で作業するという在宅勤務を言います。

部分在宅

1日の勤務時間の中で勤務先のオフィスと自宅の両方で働くことを部分在宅と言います。

例えば午前中に自宅で仕事をして、午後にオフィスに出社して仕事をすることを部分在宅と言います。先程書いた自宅に持ち帰って仕事をするのもこの部分在宅に該当します。
会社のパソコンを自宅に持ち帰って資料作成をするというのは部分在宅です。

モバイルワーク|移動中やお客様先で仕事を行うこと

ネット環境が整っていて、コミュニケーションがとれるのであればどこでも仕事が可能な環境が作れます。代表的な例は営業職です。お客様先への訪問やメール対応、電話対応などは自社のオフィスにいなくても仕事が可能です。

事務処理や部内のミーティングなどもオンラインで対応できればいちいち出社する必要はありません。会社のオフィスに出社せずにカフェ、コワーキングスペースなどの場所で仕事をして、さらには少しの空き時間であればお客様先でも仕事ができます。

主要業務はモバイルワークが難しいけれど部分的に業務を切り出してモバイルワークにすることも可能です。例えば、経費精算に代表される社内申請などの手続きや報告書のまとめなどです。

運送業や建築業などの現場に行かなければ行けない業務の場合は、直行直帰になると手間が省ける典型です。社内手続きのために本社や事務所に戻るといった無駄な労力と時間を掛ける必要がありません。

業務が終わった後にカフェや休憩スペース、車の中や電車の中で手続きや報告書をスマートフォンやタブレットからできればそれだけで便利です。

サテライトオフィス勤務|勤務先以外のオフィススペースで仕事を行うこと

モバイルワークに近いですが、サテライトオフィス勤務の場合は、環境整備の点で違いがあります。

支店や支社といった考え方が近いかもしれませんが、会社がオフィス環境を別に用意します。他とは何が違うかというとセキュリティレベルや情報管理レベルを格段に上げることができます。

テレワークが進まない要因の一つに情報漏えいのリスクにどう対応したらよいかわからないからという理由があげられます。サテライトオフィスであればネットワークの環境を会社で管理し、端末の持ち出し規制もかけることができます。そうすればセキュリティを担保したままテレワークが可能になるというわけです。

ただし、サテライトオフィスを作るために会社側の負担が大きいのが懸念点としてあげられます。業務の内容に応じて投資対効果を判断する必要があります。

テレワークの3つの視点による成果と効果

実際にテレワークはどんなメリットがあるかを3つの視点で見ていきます。
会社側だけが得する、従業員だけが得する、というように一方だけが得するだけでは施策は進みません。以下の3つの視点を参考に社内導入を進めてみてください。

事業の視点|会社が取り組む事業に対する成果・効果

売上・利益の向上

売上が向上する理由は、新規のお客様への提案のスピードが上がることが代表的です。

「自社に戻らないと見積もりが確認できない」
「自社に戻らないと承認手続きができない」
「自社の会議に戻るために移動時間があるため訪問する企業を1社見送らなければならない」

1人の営業マンならは大きな差はないかもしれませんが、10人、100人いたらどうでしょうか?それだけで、数百社の提案機会を失っていることになります。提案のスピードや処理が早ければその分次の新しいお客様に対して提案ができます。これにより売上が向上します。

会社に出社するための交通費、打ち合わせを実施するための移動費、会議室の利用費用、これらの費用は会社が負担しているため社員の方は意識していないことが多いですが、これらの費用を削減することで利益が向上します。

顧客満足度の向上

すでに取引のあるお客様に対して、
 問い合わせがあったのに担当者が不在で話が進まない、
 伝票の処理で紙の書類を毎月取引先に持っていって印鑑をもらわなければならない、
 お客様からいただいた声を営業部門内で閉じていて、開発・生産部門に届くまでに時間がかかるし、うまく内容が伝わっていない
といった対応や事態は起きていませんでしょうか?

テレワークによって、いつでも対応できる情報連携と情報共有によってお客様に対して迅速な対応と品質の高い提案ができるようになることで顧客満足度の向上に繋がります

組織の視点|自部門・チームに対する成果・効果

チームの生産性・効果の向上

報告会と称して20人が一同に介して一人ひとり報告内容を話す会議を行っていませんでしょうか?

この場合、例えば2時間の会議を行ったとすると、20人×2時間=40時間(これを人時といいます)を使っていることになります。
40時間もの時間があればどんな事ができるでしょうか?

必要な情報は事前にオンラインで共有しておき、口頭で説明すべき部分はビデオチャットで5分くらいで共有する。
個別の報告は口頭ではなく、事前に報告しておくという対応を取ることで集まって話す必要はなくなります。

これによりチームでは時間をより効率的に使うことができ、生産性が向上します。

事業継続性の向上

災害が起きて社員が出社しないと業務ができない、会社にあるデータや書類が紛失してしまい事業が継続できない、テレワークを実現するには制度を整えるだけでなく、ICT環境を同時に整備なければなりません。
後述しますが、基本的にはクラウド環境を活用することになります。
災害などが発生して事業が継続できないといったことを防ぐことができます。

就業継続性の向上

社員の離職率が改善しない・・・そんな悩みを抱える企業も多いのではないでしょうか?
社内風土、人間関係などさまざまありますが、離職する一つの理由に

「なんでこんな無駄なことやってるの?もっと効率よくできるだろ!言っても変わらないなら辞めよう」

ということを思う社員は多いです。
これだけICT技術が発達しているのに、毎日毎日満員電車に乗って朝9時には席についていないといけない、紙の書類に判子を押して、4時間もすわっているだけの会議に参加しなければならない、こんなことをしていて楽しいでしょうか?
ちょっとGoogleで検索すれば電子処理の方法、オンラインミーティングの方法などたくさんでてきます。

テレワークも導入できない企業に就業し続ける理由はありません。
能力が高い人材ほどそう考えて離職していきます。

逆を言えばテレワークを導入して効率よく本来考えなければならない内容に時間を割くことができれば従業員はよりあなたの会社で働いて見ようと考えます。

就業機会の拡大

女性のM字カーブというのをご存知でしょうか?
これは労働分野にて女性を年齢別に労働力率をグラフに表すと20代でピークに達し、30代では出産・育児のために落ち込み、子育てが一段落した40代に再上昇するというものです。

(図準備中)

つまり、月曜日〜金曜日の9時〜17時に出社しなければならないという勤務形態に該当しない人たちは働きたくても働けない状況にあります。

そこで、育児をしながらでも、家族の介護をしながらでも、フルタイムでは仕事ができないけど、テレワークでちょっとだけ仕事ができれば働いてみたいという人はとても多くいます。

働くということは賃金というお金を得るだけでなく、社会との繋がりや社会へ貢献するという精神的な満足にもつながります。

個人の視点|各社員個人に対する成果・効果

ワークライフバランスの向上

仕事はそこそこしながらプライベートで旅行してのんびり過ごしたい。
たくさんの違う仕事をして価値観を広げたい。

朝から晩まで会社にこもりきりで仕事をするというのは時代には合わなくなってきました。
ICTの進化により多くの情報を手に入れることができるため価値観も多様化してきています。

副業としてテレワークで仕事をしながら自分のしたいことをするということもテレワークであれば実現できます。

ライフステージ(育児・介護等)との両立

独身で自分ことだけ考えていれば良いという方であれば関係ありませんが、将来的に結婚や出産、親の介護などがやってきた時にテレワークの制度を利用してこれまでと同じように勤務ができるというのは従業員としてはとても嬉しいです。

業務の生産性・効率の向上

テレワークはチームや組織の生産性・効率向上だけでなく、個人の生産性・効率向上も考えられます。

オフィスで勤務していれば何かあれば聞けばいい、この仕事が終わったら次の仕事の相談をしよう、というようにできていたことが、テレワークを行うとできなくなります。

作業時間の確保が土日しかできない場合であれば、気軽に聞くこともできずに、仕事が完了しても次に何をやれば良いかわからずに、作業がストップしてしまうということがおきます。
自分自身の作業時間の確保や仕事内容の確認など、事前に確認・合意をした上で作業がストップしないように効率よくしなければなりません。これらを行うことで自ずと業務生産性・効率が向上していきます。

本日の提案|テレワークを理解しましょう

  • テレワーク:telework とは「tele = 離れた所」と「work = 働く」という2つの言葉を合わせた造語で、これを実現するためにICTを活用して、時間や場所にとらわれない働き方のことです
  • テレワークには、在宅勤務、モバイルワーク、サテライトオフィス勤務の3種類があります
  • 事業、組織、個人の3つの視点で成果や効果を理解しましょう

投稿者プロフィール

じゅん
じゅんプロジェクトファシリテーター
フリーランスのITコンサルタント として、CIO代行サービスで多くの企業をサポートしています。
企業のIT戦略 立案・実行支援を行い、
ITを活用した情報システム の導入・マネジメント支援しています。
IT利活用 に関して気軽な相談から経営に関わる支援まで幅広く受け付けています。

普段私が仕事をする時にお客様やプロジェクトチームの方々に実際に話している内容をたくさんの方々に届けます。

DX(デジタルトランスフォーメーション)が好きすぎるので「DX王子」と呼ばれています。

フリーランス協業パートナー(PMO、ITコンサルタント)を募集しています

CTA-IMAGE 弊社代表はフリーランスとして大手SIer、国内外大手コンサルティング会社とのプロジェクトを多数行ってまいりました。現在、お答えできないほどの支援依頼が来ている状態です。 そこで、お客様のプロジェクト推進を支援していただくために協業パートナーを募集中です。 当社に依頼のある案件は、コンサル案件、PM/PMO案件が中心です。(一部ITエンジニアリング案件もあり) DX、システム導入、BPRなどさまざまな目的のプロジェクトを成功に導くために適切に管理し、推進していくためにPMOとして支援していただきます。 単にプロジェクトメンバになるだけでなく、プロジェクト推進の中心的存在になり自ら推進していただきます。

仕事術カテゴリの最新記事