プロジェクトファシリテーターのじゅんです。
私の仕事は、アナログな業務フローをみなして、情報システムなどを活用して効率的な業務フローに置き換えるというプロジェクトを多く行います。
以前、仕事について話をしていると
じゅんさん、ストーンキャットって知ってますか?
と言われました。
知らなかったので教えてもらったのですが、とても参考になる話だったので、記事にまとめてみます。
今後、このような場面に遭遇したときに、例え話として使えそうです。
業務改善や企業改革のようなお仕事をされている方であれば、共感できる&参考になるはずなのでご一読いただきたいです。
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ストーンキャット|神になった猫のお話
ヨーロッパの古い教会で、神父さんが野良猫を飼っていました。
神父さんが礼拝堂でお祈りするとき猫が邪魔をすることがあったので祈りをささげるときには紐で猫を祭壇の脚に結びつけていました。
やがて、この神父が亡くなり、
二代目の神父がその猫を受け継ぎました。
同じように祈りをささげるときには祭壇の脚に結び付けていました。
そして、猫が死んだ後、今度は別の猫を飼って同じように
礼拝堂でお祈りする時は紐で猫を祭壇の脚に結びつけていました。
三代目の神父は
いつも猫を祭壇の脚に結び付けていた二代目にならって、
自分も新しい猫を飼って同じようにお祈りをしていました。
四代目の神父は
猫を飼うのが面倒だったので、猫は飼いませんでした。
しかし、先輩が続けてきたことなので、石の猫を彫刻家に作らせました。
そして、祭壇の脚に結び付けられた猫の像(ストーン・キャット)ができました。
五代目の神父は
礼拝堂にある石の猫がなぜそこにあるかわかりませんでした。
お祈りのいろいろな動きに邪魔になると思ったので、
祭壇の上に場所を移動しました。
六代目の神父は
先輩の神父が祭壇の上におかれた猫の石像に祈っていたので、
通常のお祈りに加えて猫の石像に向けてお祈りをするようになりました。
それ以来
この教会では猫の石像は聖なる存在となり、
教会の守り神として
神父や修道士だけでなく、
一般の人にも拝まれる存在となりました。
しかし、なぜこの教会の守り神が猫なのか、誰も知りません。
これがストーンキャットというお話です。
あなたの会社でもありませんか?これ何のためにやってるの?超無駄じゃない?って思うこと
先ほどのストーンキャットの話ですが、
そんな事あるわけないだろ!?
そんな事あるわけないだろ!?
と思いましたか?
それとも
あるある!
と思いましたか?
あるある!と思った方は、問題発見力や課題意識が高い人だと思います。
私自身この話を聞いたときに過去の仕事の内容がたくさんフラッシュバックしてきて当時の自分に教えたいくらいに共感しました。
例えば以下のような場面に思い当たる節はありませんか?
私なりに、ストーンキャットを想像してみました。
中には、現代だったらどう変えれば良いかというのも軽く書いていたりします。
ただ集まって資料を読むだけの会議
あなたの会社の会議で、20人や30人で会議室に集まって報告会と称して配られた資料を上から読み上げるだけの会議ってありませんか?
一時間も二時間も会議室に座らされて、自分は発言せず、他の人の話を聞いているだけの会議です。疑問に思ったことはありませんか?
このような会議はなぜ起きたのでしょうか?
私なりに少し考えてみます。
パソコンが普及していない時代
インターネットが整備されていない時代
これは何百年も前の話ではなく、30年くらい前の話です。
このような時には、
大容量のファイルを扱うには、
パソコンのスペックや
ネットワークの回線に耐えられないという事情から
文字量やデータ量を少なくし、
簡潔な文書を作成して、
資料を配布して言葉で補足するということが最適でした。
電話なども複数人で通話するということもできなかったので、20人や30人に伝える場合は、連絡網のような電話をして伝言ゲームをするよりも、いっせいに集まって伝えた方が効率が良かったのです。
さらにさかのぼれば、コピー機の性能が低い時代なんかは、何百枚という印刷を瞬時に行うことは難しいので、説明したことをそれぞれ聞いた人たちがメモをとって、それを持ち帰って伝えるという流れになっていた場合もあります。
しかし、2020年今の時代はどうでしょうか?
パソコンのスペックどころか、スマートフォンがパソコンのスペックを超える状況にあります。
取り扱えるデータ量も飛躍的に向上し、必要な情報はいくらでももりこめて使える状況にあります。
ネットワークのスピードは比べ物にならないほどの速度をだし、ビデオ通話はほとんど遅延のない状態で会話ができています。
うちの会社は昔からこうだから、Face to Faceが大事なんだよ!と考えることを放棄するようなことはやめましょう。
私はこういう会議をなくすことで、スタッフ同士がよりイキイキしてFace to Faceの会話を楽しむ場面を何度も見てきました。
中身を見ないで書類にハンコを押すだけの書類
これはかなりの方が思い当たる状況があるのではないでしょうか?
・何個も並んだ承認印の欄
・ハンコを押した人は誰一人書類の内容を把握していない
なぜこのようなことが起きてしまったのでしょうか?
創業当初、企業が拡大していく中で組織化する際に社長が管理者を配置し、どこまで確認したかをチェックするための承認印であったり、実際の担当者が勝手に作業をしないようにするための二重チェックのために設けられたのかもしれません。
それが、組織がさらに大きくなり、たくさんの役職ができ、組織が階層化されるたびに承認印の欄が追加され、形骸化していった可能性があります。
さらに、ハンコは偽造するのが難しく、本人が押したことを証明するのに使い勝手が良いからという理由で使い続けてきたかもしれません。
しかし、現在では、企画や申請のための申請を管理したり、修正履歴を残して、承認状況を管理できるツールやサービスが安価でかつ使いやすくなってきました。
それらを活用することで、リアルタイムに情報共有でき、承認という行為そのものも意味のある承認のみを残してスピードを上げるといった方法が可能となります。
電話で「もしもし」と言わなければいけない
これは、些細なことですが、電話する時に「もしもし」と言っていませんか?
私は言っていません。
理由は、いう必要がないからです。
「もしもし」の語源は、「申す申す」から来ています。
昔は電話の際、電話交換手といわれるオペレーターが手動で電話の接続先を切り替えていました。
また、電話機自体が普及しておらず、何世帯かで共有したり、使わせてもらったりというのが当たり前に行われていました。
ジブリ映画「となりのトトロ」で見ることができます。
このような状況なので、電話がつながったら、まず自分は誰なのかを言わなければなりません。
なので、今から名前を言いますよ。という枕詞として、「申す申す」→「もしもし」が使われるようになったのです。
では、現在はどうでしょう?
番号が表示されて、相手が誰か分かっているので必要ないですよね。いきなり会話を始めて良いわけです。
それに、知らない番号はでませんし。
非通知の電話は無視します。
「会社ではそうはいかないだろ!」
そういうことを思う方もいらっしゃるかもしれません。
確かにそうです。
しかし、会社で全社員がいう必要がありますでしょうか?
そもそも電話を使う部署は限定されますし、電話のオペレーションをアウトソーシングするということもできます。
現在のサービスを活用すれば、電話にでる、電話をかけるという行為すら省くことができます。
少し話がそれましたが、何も考えずに「もしもし」という言葉を使い続けるかどうかを考えてみましょう。
いつかあなたにお子さんができたとき、こう言われる時が来るかもしれません。
「ねぇ、なんで電話する時、もしもしって言うの?」
この記事を読んだあなたは、答えに困ることはありませんね!
若者だからこのような発想ができるわけではない
私の事例をひとつ紹介します。
私から問い合わせをさせていただき、打ち合わせでお客様企業にお伺いした時の話です。
一通り、打ち合わせが終わり、契約には至らなかったのですが、継続して情報交換しましょうということで話は終わりました。
帰ろうとすると、
最後に必ずアンケートをお願いしてまして
と言われ、アンケート用紙とボールペンを渡されました。
内容としては、態度や説明内容などの担当者固有の情報から、会社に対する内容、今後情報をやり取りするための情報などを書くようなアンケートでした。
わたしは、
Webから問い合わせたんだから、その連絡先使ってもらっていいんだけどなぁ
なんで紙に書かなきゃいけないの?めんどくせぇ
と思いながら書いていました。
ちょっとあまりにも気になったので、ちょっと突っ込んで話をしてみました。
このあとの話をする前に、少し考えてみてください。
あなたはこの会社はどのような企業だと思いますか?
昔ながらの高齢な方が多い企業?
いいえ違います。
その会社は、システム開発を行う企業で、ソフトウェアエンジニアを何百人も抱える平均年齢が30歳前後の企業です。
私の前に現れたのは、営業担当だという、25、26歳で、その会社で3年か4年くらい勤めているとのことでした。
これを踏まえた上で、以降の会話を見てみてください。
私は質問しました
なぜこのアンケートを紙で書かなきゃいけないのですか?
私の個人情報であれば、メールで送ったり、御社の登録用のWebページに入力することで対応できませんか?
この紙に書いたことを何分もかけてあなた、もしくは別の誰かが入力するんですよね?
と、すると相手から返ってきた言葉は、
確かにそうですね。考えたこともありませんでした。
でした。
その人はパソコンも使えるし、スマホも使えます。
世の中のWebツールは使えます。
しかし、先輩からこう教えられ、そのように仕事をするのだ、と思い込んでいるがために、アンケートの業務になると、アンケート用紙を印刷して、ボールペンを相手に差し出すのです。
何年もの間、何百人に対して同じことをしているのです。
何も考えずに。
まさにストーンキャットです。
これは、頭が悪いのではなく、頭を使っていないのです。
若いからという理由で柔軟な発想や問題解決力があるというわけではありません。意識して
「これって本当にやる必要があるのか?」
「もっといいやりかたあるんじゃない?」
と考えながら仕事をするようにしましょう。
なぜそうなったのか?という考える習慣を持つことが大切
前述した内容に思い当たる場面がある方の中には、会社を変えよう!と考えたり、実際に行動を起こしてみて、玉砕したことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
多くの場合、昔からの習慣を変えるのは大きなパワーが必要でかなり難しいです。改革プロジェクトを立ち上げて一人一人愚直に説得するのが必要な場面もでてきます。
何かを変えようと努力したけれど、組織という大きな力に負けてしまって失敗してしまった方は、
こんなことになるんだったらやる意味ないじゃん
と思ってしまうかもしれません。
しかし、わたしからメッセージを伝えるとすれば、
・問題を発見する力
・解決する思考力
・行動する力
があるあなたはとても貴重な人材です。
その考える習慣をぜひ辞めないで続けてほしいです。
将来的に必ず役に立つ場面が来ます。
あなたが今いる会社で役に立たないとしても、その力を必要としている人は必ずいます。実際にわたしは、関わらせていただくプロジェクトの中にかなりストーンせキャットのような事例はあります。
ですので、わたしと一緒に仕事をしていただきたいくらいです。
もしあなたがチャレンジするなら
会社全体の習慣や文化を変えることはとても難しいです。しかし、あなたの部署や一緒に仕事をする小さなチームの中で変えるのは比較的簡単です。
なので、あなたが新しい仕事や短期の仕事を社内で行う際に、一緒のチームで仕事をする仲間に
今回の仕事では、こんな風に進めてみようと思うんだ
という感じで話してみて小さな成功を積み重ねてみましょう
本日の提案|ストーンキャットの話から学んであなたの身の回りでも探してみましょう
・コレってやる意味あるの?と思うような仕事内容や習慣を見つけてみましょう
・改革を行う時に相手に伝わりづらかったら、ストーンキャットの話を例に出してみましょう
・実際に行動して見る時は、いきなり会社全体などの大きな括りではなく、自分のチームなどの小さな規模で実績を作ってみよう
投稿者プロフィール
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フリーランスのITコンサルタント として、CIO代行サービスで多くの企業をサポートしています。
企業のIT戦略 立案・実行支援を行い、
ITを活用した情報システム の導入・マネジメント支援しています。
IT利活用 に関して気軽な相談から経営に関わる支援まで幅広く受け付けています。
普段私が仕事をする時にお客様やプロジェクトチームの方々に実際に話している内容をたくさんの方々に届けます。
DX(デジタルトランスフォーメーション)が好きすぎるので「DX王子」と呼ばれています。
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