プロジェクトファシリテーターのじゅんです。
ソフトウェアエンジニア、プロジェクトマネジメント支援、ITコンサルタントという役割の中でたくさんのプロジェクトに関わってくるとプロジェクト運営の難しさに度々直面します。
プロジェクトを成功させるためには何が必要でしょうか?
ほとんどの場合、資格を取得して勉強すれば良いと考えたり、先輩に聞いても同じような答えが返ってきたり、した経験はありませんでしょうか?
私はこれまで多くのプロジェクトに関わる中で、PMPやPMBOKなどのプロジェクトマネジメントの資格を持つ方々と多く接してきました。
先程のプロジェクトを成功させるには資格が必要という内容に関しての答えは、Noです。
今日は、その理由や私がプロジェクトを成功させるために行っていることを紹介します。
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プロジェクトファシリテーターである私が<なぜ>プロジェクトを円滑に進めることができるのかを教えます
答えは、
超論理的に計画を立てて、楽しく・情熱を持ってプロジェクト運営をし、柔軟に計画を変更していくから
です。
私が自分のことをプロジェクトファシリテーターと読んでいるのには理由があります。
まず、プロジェクトマネージャーのマネージャーとは、管理者です。管理というのは、計画を立てて、計画通りに実行する人です。ドライな言い方をすれば、人間の感情は関係なく、ロボットのように仕事をやらせて管理すればよいのです。
超合理的に。
仕事が遅い人には、なぜ遅いのか?どのようにしたら早くなるのか?ということを指導して改善させ、仕事が早い人には、余力があるからより多くの作業を与える。そうして計画通りに仕事を淡々と管理すればよいのです。
一方で、ファシリテーターとは、和訳すると<促進者>です。
何を促進するのかというと、プロジェクトそのものとプロジェクトメンバです。
プロジェクトは、プロジェクトメンバの能力を発揮して、メンバ同士を噛み合わせることで最大限に促進されるという考え方のもと私は運営に携わります。
メンバの能力を発揮するのに加え、一緒にプロジェクトをすることでの本人の成長やスキルアップに寄与することができて、「一緒に仕事をして楽しかった」と思えるような時間を過ごせたら嬉しいという考えで仕事をしています。
メンバの成長や仕事が楽しいということばかりでは、プロジェクトはうまくいきません。ですので、論理的に計画を立てて、プロジェクトメンバと協働しながら進めていくからプロジェクトがうまくいくのです。
PMPやPMBOKの資格を持っている人のマネジメントが失敗する理由
先程の、超合理的に管理する部分を見て、あなたはどのように思いましたか?
うまくいくかもしれませんが、そのような管理者の下では働きたくない。
そう思いませんでしたか?そう思った方は多いはずです。
また、そうは思わず、仕事とはそういうものだろ!と思った方は、少し黄色信号かもしれません。
このようなプロジェクト運営をしている場合、上手く行かないし、上手く行っても仕事が面白くないという状態になります。
仕事は評価されるのに、部下が全くついてこない、人がどんどんやめていくという方は、論理的で合理的な仕事の仕方をしているのではないでしょうか?
これが、PMPやPMBOKの資格を取得しても上手く行かない理由です。
「プロジェクトマネジメントとは、こういうものだ!」
「プロジェクトはこう進めるべきだ!」
「PMBOKではこう言っているのだからこうしなければならない!」
このようなことを言い始めたら大体プロジェクトは失敗します。
智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい
この文章をご存知でしょうか?
夏目漱石の「草枕」の冒頭にある文章です。
「智」というのは、論理的、合理的な内容のことです。
「情」というのは、非論理的、感情的な内容のことです。
簡単にいえば、
合理的に物事を進めれば、嫌われたり、仲が悪くなる。
感情を周りに合わせていれば、前に進まない。
まったくどうすればいいんだ・・・・人間関係って難しい・・・
みたいな感じに捉えておけばOKです。
この文章は私はとても好きで、事あるごとに思い出して、自分に言い聞かせています。100年以上も前に発表された小説にすでに答えが書いてあるのです。私達の住む世界はそう簡単には変わらず、人と一緒に何かをする場合、これに当てはまります。
仕事は常に効率的に、合理的に進めるのが正解で、間違いなどないと思っているあなたは少し考え直してみてはいかがでしょうか?
あなたの考えが中心で世界が回っているわけではありません。
あなたと同じ考えの人はこの世にはいません。
プロジェクトとは、さまざまな価値観を持ってさまざまな経験をしてきた多くの方々と一緒に仕事をすることを念頭においておく必要があります。
「①大好きな人からの理不尽な依頼」と「②大嫌いな人からの理にかなった依頼」
このとき、他の条件は全く一緒にします。
これが、同時にあなたに来た場合、ほとんどの人は①を優先するはずです。
人が動くというのはこういうことです。
あなたの周りにいませんか?②のような人
言っていることは正しくて、論理的なのに、なんか協力したくないと思うような人
そのようにあなたが感じるような人がいるのであれば、②のような人です。
話していることはとても論理的で理にかなっており、正しいことを言っている。にもかかわらず、一緒に仕事をしていても楽しくない。前述のPMPやPMBOKの資格を持っている方の中にも一定数いらっしゃいます。
結果だけ見れば、仕事やプロジェクトがうまくいくので本人の評価やプロジェクトメンバの評価も上がります。
仕事と割り切って接すれば良いのですが、それだけではもったいないと私は思います。
せっかく同じ時間をともにするのだから気持ちよく仕事をしたい!
楽しく仕事をしたい!そう思うと、一緒にいるだけで楽しい!あまり計画的に考えずに楽しいと思う方を選ぼう!というような考え方や仕事の進め方が増えてきます。
経験したことがある方であれば、すぐにわかると思いますが、これだけでは絶対にうまくいきません。目先のことばかり考えて、長期的な計画や目指すべき方向がズレているからです。また、上手く行ったとしても、かなり効率が悪く、取りこぼしの多い成功となります。
本人たちは上手く行っていると思っていますが、客観的に見るともっといろいろなことできたのでは?と思うような結果になります。
つまり、生産性が低い結果になります。
では、どうしたらよいか?
プロジェクト計画は「智」を使って超合理的に考える!
計画段階では、合理的な考え、PMPやPMBOKはとても役に立ちます。
網羅的に、限られた資源で目的を達成できるように計画を作ります。
プロジェクトマネジメントに関する内容は今後増やしていこうと考えていますが、一般的なプロジェクト計画書の作り方の本などを参考にして作成すればOKです。
最初から完璧なものを作らなくて良い
計画書を最初に作るというと、完璧なものを作ろうとして、いつまで経っても進まないということがあります。
最初から完璧な計画書を作成する必要はありません。しかし、合理的に考えましょう!と言われると「どうすればいいんだ?」と思うかもしれません。
どうすればよいかと言うと、
ドコが決まっていなくて、どのタイミングで決めるか、
判断に迷う部分は、どのような情報を持ってどのように決めるかという、
タイミングや決め方を計画書に書いて決めておくのです。
もう一度いいます。
決め方を決めておくのです。
どうなるかわからないから考えないのではなく、どうなるかわかったときにどうすればよいかを事前に決めておくということが大切です。
4つの視点でプロジェクト計画書を作れ!
以前紹介した、ビジネスマンが持っている4つの視点という記事はプロジェクト計画書を作成する上で参考になるはずです。
プロジェクト運営は「情」を使って情熱的に進める!
プロジェクト運営をいくつか行ったことがある方であればわかると思いますが、ほとんどの場合、計画通りに行きません。
計画通りのプロジェクト運営しかしたことないという方がいれば、その方は嘘をついているか、経験が浅いかのどちらかです。
では、計画通りに行かないプロジェクトをどのように進めればよいか、
それは、
プロジェクトメンバとプロジェクトが成功したあとのビジョンを共有し、一緒に成長できるように楽しく運営するということです!
根性論かよ!?と合理的な考え方を持った方は思うかもしれませんが、プロジェクト運営は人同士で仕事をするので、「一緒に気持ちよく仕事ができるか」という点はとても重要です。
私は、プロジェクトメンバの経歴などのバックボーン、仕事に対するスタンスや現状、これからどの様にキャリアを作っていきたいか、どのような自分になりたいか、を常に意識して接します。
はじめに面接や面談でこのような会話ができる機会はないため、プロジェクトを運営しながら引き出していきます。
いきなり初対面で、先程のようなことを聞かれて素直に答えられるかたばかりではないからです。
また、これらの質問は信頼関係ができていない状態で聞いたところで、正確なことは引き出せません。
その場しのぎの適当な答えを出されて終わりです。
私もパーフェクトな人間ではないので、適当な受け答えをされることはたくさんあります。
(相手は気づいていないと思いますが、何百人と会話すれば大体わかってきます。)
プロジェクトメンバを理解しながら、プロジェクトを進めるにあたって仕事をどの様にお願いすればよいか、任せればよいかを判断していきます。
そして、当初計画からどのように変えれば良いかを常に見直して柔軟に計画を変更していって進めるのです。
情熱的なプロジェクト運営の裏には、緻密なプロジェクト計画の修正が隠れています。
一緒に仕事をするときに大切なチームビルディング
先程書いたプロジェクトメンバとの接し方については、過去に以下のような記事を書いていますので参考にしてください。
本日の提案|プロジェクトがうまくいくのは、超論理的に計画を立てて、楽しく・情熱を持ってプロジェクト運営をし、柔軟に計画を変更していくから
・プロジェクトマネジメントの資格(PMPやPMBOK)を取得するだけでプロジェクト運営が上手くできるようになるわけではない
・「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい」ということを頭に入れておきましょう
・合理的、感情的、どちらも必要ですよ!日々の仕事の中でバランス良くできるようにトレーニングしていきましょう
バランスが取れているかをチェックする方法!ジョハリの窓を使いましょう
投稿者プロフィール
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フリーランスのITコンサルタント として、CIO代行サービスで多くの企業をサポートしています。
企業のIT戦略 立案・実行支援を行い、
ITを活用した情報システム の導入・マネジメント支援しています。
IT利活用 に関して気軽な相談から経営に関わる支援まで幅広く受け付けています。
普段私が仕事をする時にお客様やプロジェクトチームの方々に実際に話している内容をたくさんの方々に届けます。
DX(デジタルトランスフォーメーション)が好きすぎるので「DX王子」と呼ばれています。
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