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クラウドは使えない?クラウドにまつわる3つの誤解
- 調達の手段が変わるだけで今と変わらない
- セキュリティが心配だから使えない
- コストメリットが期待できない
クラウドコンピューティングの話をすると、上記のようなお声をいただくことが多くあります。
これらは全て誤解で、実際に自社に導入してみても検討が浅くうまく行かなかった経験を持つことからこのような話を耳にすることが多いと思います。
現在では技術や周辺情報が進んでおり、数年前とは比べ物にならないくらい環境が整備されてきました。
これらの誤解を改めて解いてみたいとおもいます。
1.調達の手段が変わるだけで今と変わらない
システムを使うこと自体は変わらないのだから、今までのようにサーバーを買うのとクラウドを契約するのでは契約の形態などの手段が変わるだけで、実質的には変わらないのでは?
運用の負担がある程度任せられる程度でしょ?
というように考える方がいらっしゃいます。
まだ5年毎にリプレースしてるんですか?
情報システム部門のインフラ部隊に所属しているとこのシステム償却期間の5年という期間はいつもついてまわると思います。
ようやく大規模システムのリプレースが終わったと思ったら次の5年後を考えてシステムを考えて置かなければ行けない。
その間にEOSなどのイベントが待っているから。。。。
と常にシステムのインフラやプラットフォームの更新に頭を悩ませていることだと思います。
その間にも新しい機能を追加したり、セキュリティ更新などをしたりと運用面での対応が多く発生し、システムが安定稼働させるために情報システム部門は日々の業務のほとんどを現状の維持に費やしていると言っても過言ではありません。
調達の手段は変わらないかもしれないが、本来考えなければならないアプリケーションや業務対応にリソースを回せる
これまでは、企業に取って重要な経営資源であるヒトをシステムの維持管理や置き換えのために使用していた人的資源をビジネスを促進させるために集中させることができるというのは大きなメリットだと思います。
システムの観点を持った従業員が積極的にビジネス推進のちからになってくれる。
これほど力強いことはありません。
また、システム部門のメンバも日の目を見ない仕事を延々と任せられるよりも前線に立ってビジネスに関わることができるというモチベーション向上にも繋がります。
2.セキュリティが心配だから使えない
なぜ誤解がうまれるのか?
自社でシステム資産を所有していれば、経営・業務・データ・個人などのあらゆる情報を守ることができた。
しかし、インターネットを介したクラウド上にデータを送ることで、特定・不特定多数の相手に閲覧されてしまう心配が出てきた。
それを防ぐためにユーザー認証や暗号化、セキュアなプログラムを使ってセキュリティ強化をしなければならないため、負担が多くなる懸念とガバナンスそのものが効かなくなるのでは?という状態がうまれてきた。
クラウド事業者を正しく選定すれば問題ない
ベンチャー企業や国内の小規模事業所が独自で提供しているクラウドサービスの場合は、リスクが大きいです。
クラウドサービスの運営業者がどのような方針やルールで運用しているかがわからないので、不安が大きくなります。
私が推奨しているのは、Amazon Web Service、Windows Azure
あたりです。ここを使っておけば間違いないです。
データ保管場所が気になる場合は、リージョンと呼ばれるデータセンター拠点を日本国内に設定することで海外へのデータ保存に対して対応できると思います。
例えば、AWSはFISC安全対策基準・解説書に対して回答しています
こちらのページにはAWSが財団法人金融情報システムセンター (FISC)の安全対策基準・解説書に対する回答が公開されています。
ダウンロードして閲覧することができますので、ご覧いただくことをおすすめします。
https://aws.amazon.com/jp/compliance/fisc/
FISC安全対策基準・解説書とは
1985年12月、財団法人金融情報システムセンター (FISC)により金融機関等の自主基準として策定された金融機関等コンピュータシステムの安全対策基準・解説書(FISC安全対策基準・解説書)は、システムアーキテクチャおよび運用に関する指針として多くの金融機関によって活用されています。また、金融庁の金融検査マニュアルは、検査官が金融機関に対して検査を実施する際の参考文書としてFISC安全対策基準・解説書を挙げているなど、FISC安全対策基準・解説書は広く認知・活用されています。
https://aws.amazon.com/jp/compliance/fisc/
このレベルを自社で構築できますか?
自社でなくても利用しているクラウド事業者は、このレベルでシステム提供できているでしょうか?
このレベルを維持管理するのはとても大変です。
これらのことから自前で構築するより高品質に環境を利用できるということがわかると思います。
責任分界点の問題
システムの資産が自社のものでも運用しているのは派遣社員やシステムベンダーの社員というケースが多くあると思います。
この場合に問題が起きると、
システムの持ち主は御社なので、御社に責任があります。
運用しているのは、システムベンダーなので、システムベンダーに責任があります。
という議論が出てきます。
つまり、責任分界点が不明確になるのです。
多くのシステムベンダーは責任を被らないように契約書や対応する業務範囲を絞り、仕事の前には書面でやりとりをして証跡を残すといった周辺業務が絶えなくなっています。
クラウド利用は責任分界点が明確になる
クラウド利用の場合は、責任分界点が明確になります。
利用する際のサービス規約を確認し、契約することで 責任分界点の問題は解決されます。
IaaS/PaaS/SaaSとサービス形態を選択することができます。
違いについては以下の記事で確認しておいてください。
それでも心配なら
本当にセキュリティが心配なら 一部だけオンプレミスにすることでメリットを得られます。
(本当に自社で保有する必要のあるデータのみ管理)
3.コストメリットが期待できない
費用計上できる
これまでのシステム開発は、多額の費用を投じて、人的工数をかけ、ソフトウェア、ハードウェアを導入していました。
これらは、リリースやローンチとともに、固定資産(ソフトウェア資産)として計上されます。
しかし、固定資産として計上されるものの、多くのソフトウェアは自社用にカスタマイズされているため、
売却できるわけではない。よって、減価償却するしかなくなります。
システムの資産計上をすればするほど毎年の減価償却の額が膨れていくことになります。
これが積み重なることで、新たなIT投資へ資金を投入できなくなるといったことが起きてきます。
クラウド利用の場合は、月額課金のケースが多いため、これらを費用として計上することができます。
後述するように柔軟にシステム構成を変更でき、組み換えも可能です。
不要となったシステムは利用を限定的にしたり稼働時間を変更することで、システムを維持しながらコストを下げるといったことも可能になります。
サーバー単位ではなく、利用システム単位で細かく設定できるためコストメリットが期待できる
システム導入の際にサーバースペックの見積もりは慎重に行わなければならず、将来の成長も加味して検討しなければなりませんでした。
するとどのようなことが起きるかと言うと、
将来の予測はできたが、さらに拡大するケースを考えて念の為、ハイスペックなものを用意しておこう!
という考えがでてきます。
ハイスペックなものを用意しておけば問題が起きることはないからです。
しかし、実際は本来のサーバーの10分の1も使っていないという事は往々にしてあります。
クラウドコンピューティングであれば導入時点の処理に必要なスペックを設定しておけば良いので、無駄なコストを掛ける必要がありません。
処理量が増加し、現在のスペックに見合わなくなったら、システムはそのままでサーバースペックのみを上げればよいのです。
アプリケーションやソフトウェアは意識せず、サーバースペックのみを上げることができるので、簡単に対応できます。
また、費用に関してもサーバースペックを変更した時点から料金が上がるため無駄な費用を払う必要もありません。
まとめ
1.調達の手段が変わるだけで今と変わらない
アプリケーションや業務対応に人的資源を集中できる
情報システム部門のメンバはビジネスの前線に立って
動くことでモチベーション向上にもつながる
2.セキュリティが心配だから使えない
クラウド事業者を選定することで自社よりも高品質なセキュリティを手に入れることができる
万が一の責任分界点が明確になる。
本当にセキュリティが心配なら
一部だけオンプレミスにすることでメリットを得られる
(本当に自社で保有する必要のあるデータのみ管理)
3.コストメリットが期待できない
費用計上できる
現状の処理量に合わせて利用を調整できるため、コストを抑えることが可能
本日の提案
御社のビジネス発展のために改めてクラウド利用を検討してみてはいかがですか?
投稿者プロフィール
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フリーランスのITコンサルタント として、CIO代行サービスで多くの企業をサポートしています。
企業のIT戦略 立案・実行支援を行い、
ITを活用した情報システム の導入・マネジメント支援しています。
IT利活用 に関して気軽な相談から経営に関わる支援まで幅広く受け付けています。
普段私が仕事をする時にお客様やプロジェクトチームの方々に実際に話している内容をたくさんの方々に届けます。
DX(デジタルトランスフォーメーション)が好きすぎるので「DX王子」と呼ばれています。
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