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MaaS:Mobility as a Serviceとは?
MaaSのMは、Mobilityのことで、Mobilityは可動性、移動性、機動性といった意味があります。「aaS」は「~as a Service」の略語で、 日本語に直訳すると「サービスとして」という意味です。
ですので、
MaaS:Mobility as a Serviceとは、日本語に直訳すると「移動を提供するサービス」と訳すことができます。
これまで移動手段といえば手段の提供、これからは移動というサービスを利用することができる
これまで移動といえば、個人で所有している車や自転車を使用して移動したり、電車やバスといった公共機関を使用したり、シェアリングサービスを利用しながら移動をしていました。
これらの移動手段を利用しようとした場合、個人で個別に検索や手配を行い、手続きを行った上で必要に応じて所有したうえで利用しなければならなりませんでした。
しかし、MaaSが提供するサービスは、MaaSプラットフォームと呼ばれるプラットフォーム上で、手配から決済を1つの手段で行うことができ、所有する必要がなく、必要な移動手段を利用することができるようになのです。
世界中で注目されているMaaSはそれぞれ定義が存在しているが、大まかに表現すれば上記のような内容になります。以下にさまざまな場所で表現されている定義を記載しておきます。
MaaSAllianceによるMaaSの定義
2015年のITS世界会議で設立されたMaaSAllianceでは、
「MaaSは、いろいろな種類の交通サービスを、需要に応じて利用できる一つの移動サービスに統合することである」
とされています。
国土交通省によるMaaSの定義
「ICTを活用して交通をクラウド化し、公共交通か否か、またその運営主体にかかわらず、マイカー以外のすべての交通手段によるモビリティ(移動)をひとつのサービスとしてとらえ、シームレスにつなぐ新たな『移動』の概念」
スウェーデン・チャルマース大学によるMaaSの定義
2019年06月時点のサービス例も加えるとこのようになります。
Level 0:統合なし No integration
事業者個別に移動手段や附帯するサービスを提供
個別の交通事業者が提供する移動手段やカーシェア、自転車シェアなどのサービス
Level 1:情報の統合 Integration of information
異なる交通手段の情報を統合して提供
Google Map、NAVI TIME、乗り換え案内Citymapper、シアトルのTripGo、などによるルートや所要時間、料金の検索など
Level 2:予約と決済の統合 Integration of booking and payment
異なる移動手段をまとめて検索でき、予約や手配も行うことができる統合サービスを提供
【MaaS】ダイムラーのMoovel、ロサンジェルスのGo LAなど
Level 3:サービス提供の統合 Integration of the service offer
予約や決済に加えて、サービス独自の料金体系を持ち、異なる移動手段をシームレスにつなぐサービスを提供
【MaaS】フィンランドのWhim、スイスのGreen Classなど
Level 4:政策の統合 Integration of policy
スマートシティーのような上位の政策目標に統合された移動手段を実現するサービスを提供
【MaaS】該当するサービスがない
MaaSの具体事例
MaaSの先駆的取り組みのひとつがフィンランドのヘルシンキに本社を置くMaaS Global社のサブスクリプション型サービス「Whim(ウィム)」です。このサービスは、地元ヘルシンキのほか、ベルギーのアントワープ、イギリスのウエストミッドランドで正式にサービスを展開しています。
Whimの会員数は、MaaS Global本社があるヘルシンキでは、18年9月時点で6万人、ヘルシンキの人口63万人の約1割がWhimユーザーとなっています。Whimアプリ経由のヘルシンキでの移動回数は、18年9月時点で150万回、利用者が選択する交通手段の割合は90%が公共交通で、残りが自転車やクルマなどの他の移動手段になっているようです。サービスの普及に伴い、都市部での自家用車の流入が減っているそうです。
これは交通渋滞や大気汚染が解消し移動時間も短縮することにつながると期待されています。
高齢者による運転事故などの交通による問題が解決する
MaaSが実現されることによr、公共交通も含めた交通手段の多様化によって様々な社会的課題を解決できる可能性が広がります。
昨今頻繁にニュースになっている高齢者の運転事故の問題も免許返納を進める施策を進めるのも良いですが、MaaSのようなサービスを発展させることで問題解決に繋がっていくことを期待しています。
交通が抱えている問題
- 地方へ行くほどマイカーへの依存度が高くなる。
- 自動車は移動手段としては便利だが、保有コストが高いわりには、稼働率は低い。
- 大気汚染や渋滞による社会的ロスが発生している。
- 交通事故の死亡者数は世界全体では年間100万人を超えている。
- 公共の交通機関の運営が、マイカー保有により危機に瀕している。
- 乗り合いバスの利用者は近年大きく減少しており、赤字で路線廃止に陥るケースが続いている。
- 公共交通路線の廃止により、移動手段がますますマイカーに偏り、公共交通機関の運営をさらに苦しめている。
- マイカー移動に偏るため免許返礼が進まず、高齢者による交通事故が増加する。
MaaSによってこれが解決される
- 公共交通が整備されると人々の流れが変わり、ガソリンや駐車場代に向けられていた支出が、公共交通に回るようになる。
- それによって地域全体が活性化する。
- 渋滞や交通事故の発生が減少すれば、社会全体のロスも低下、
- 行動履歴をビッグデータとして把握できれば、道路や都市計画に活用できる。
- 高齢者や障害者などのハンディキャップを抱えた方々の移動が容易になる。
- 運転ができるかできないかで住む場所が限定されるという不自由さがなくなる。
- マイカーに偏る今の社会が解消され、個人の暮らしは改善し、街の中心部も活性化して地域が抱える問題の多くが緩和する。
あのトヨタが車の製造会社ではなくなる!?
2018年1月、トヨタは、ラスベガスで開催された「CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)2018」で、独自のMaaS(Mobility as a Service)である「e-Palette Concept」を発表しました。
移動する手段である自動車を売るのではなく、移動そのものを売ろうという考えです。そして、自らを自動車はメーカーから「モビリティ・カンパニー」へ転換する旨を宣言しました。
e-Paletteが実現すれば公共機関のように自由に乗り降りできるバスのような使い方や特定の行きたい場所に行くタクシーのような使い方もできる。
さらに、お店自体が移動するような利用方法もでき、靴や服などのお店が自分の家の前に来たり、病院などのサービスが自宅に来るということも実現される可能性がある。
まとめ|MaaSは単なる移動のサービス化にとどまらない
MaaS:Mobility as a Serviceとは、日本語に直訳すると「移動を提供するサービス」のことです
MaaSによってさまざまな社会的問題が解決する可能性があります
トヨタ自動車も車を売る販売メーカーから移動サービスを提供する企業へと転換しようとしています
投稿者プロフィール
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フリーランスのITコンサルタント として、CIO代行サービスで多くの企業をサポートしています。
企業のIT戦略 立案・実行支援を行い、
ITを活用した情報システム の導入・マネジメント支援しています。
IT利活用 に関して気軽な相談から経営に関わる支援まで幅広く受け付けています。
普段私が仕事をする時にお客様やプロジェクトチームの方々に実際に話している内容をたくさんの方々に届けます。
DX(デジタルトランスフォーメーション)が好きすぎるので「DX王子」と呼ばれています。
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